2025-04-29
相続が発生すると、被相続人の財産を引き継いだ相続人に相続税が課されますが、払いすぎてしまっているケースも珍しくありません。
その場合、手続きをすれば「相続税の還付」を受けられる可能性があることをご存じでしょうか。
そこで今回は、相続税の還付とはどういうことなのか、相続税を納めすぎる理由や還付の期限、還付額、還付された事例について解説します。
山口県山口市で、親や親族の財産を相続された方は、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは、相続税の還付とはなにか、その意味や還付の理由について解説します。
冒頭でもお伝えしたように、親や親族が亡くなると、その方が所有していた財産を相続した方は、相続税を納めなければなりません。
相続税の還付とは、納めた相続税で過払いがある場合に、税務署に申告し過払い分を返還してもらう制度です。
過払い分については、税務署から連絡が来るわけではないため、過払い分があることに気づかない方も珍しくありません。
では、なぜ税金の過払いが発生するのか、その理由について考えてみましょう。
納めすぎる理由としては、以下の2つが挙げられます。
理由1:自己申告だから
相続税は、遺産の総額から基礎控除額を差し引いた額を遺産分割の割合で按分して計算します。
土地や家屋といった不動産も相続の対象であり、相続税の計算に必要なのは、それぞれの財産の評価額です。
現金や預貯金であれば問題になりにくいですが、不動産の評価方法には複数あり、どの評価額を用いるかによって税額も異なります。
また、相続税の申告には期限があります。
相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に相続税を納めなければなりません。
そして、期限内に自己申告する必要があり、計算ミスや適正な評価がおこなわれないまま納税している可能性があるのです。
理由2:土地の評価は複雑だから
土地については、「路線価」が定められている地域と、定められていない地域で評価方法が異なります。
土地の相続税評価額は、「路線価方式」と「倍率方式」の2種類の方法で計算するのが一般的です。
市街地などの道路に面する宅地の価格は「路線価方式」で求め、市街地以外の路線価が設定されていない地域では「倍率方式」を用います。
倍率方式の場合、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算するため、比較的評価額を把握しやすいでしょう。
しかし、路線価方式の場合は、土地の形状や状況に応じて「補正率」を用いて調整する必要があるため、計算が複雑です。
土地は個別性があり、適正な評価額を算出せずに相続税を計算して納めていることも少なくないのです。
相続税の計算は、個人でおこなうのは難しいため、税理士に依頼するのが一般的です。
しかし、計算に用いる不動産の評価額が税理士によって差が生じることも珍しくありません。
こういった事情をふまえ、払いすぎであることを定められた期限までに国に申請し認められれば、税金が戻る仕組みになっているのです。
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土地の相続税とは?計算方法や評価額についても解説
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先述したように、相続税の還付には期限が設けられています。
そこで次に、相続税を払いすぎた場合に還付を受けるための手続きの期限と流れについて解説します。
期限内に申告しないと還付を受けることができないため、内容をしっかり理解して遅れないように手続きしましょう。
相続税の還付の手続きの期限は、相続税の申告期限から5年です。
税務署に還付を受けるための請求をおこなう必要があります。
この手続きを、更正の請求手続きといいます。
前章でも解説しましたが、相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。
つまり、相続の開始を知った日から5年と10か月までに手続きする必要があります。
還付の金額は人によって異なりますが、納めた税金の20%ほどは戻ってくる可能性があります。
ただし、これはあくまで平均です。
20%より多く戻ったケースも少なくありません。
更生の手続きの流れは、以下のとおりです。
書類を確認する
まずは、相続税を納めたときに提出した書類を確認します。
土地の評価額を見直したい場合は、土地の評価に強い税理士に依頼し、申告した評価額が適正かどうか相談してみましょう。
更正の請求に必要な書類を税務署に提出する
実際の評価額より高い評価額で申告していた場合は、相続税を納めすぎているため、更生の請求手続きをおこないます。
手続きには、以下のような書類が必要です。
これらの書類が揃ったら、最寄りの税務署に提出してください。
更生通知書が届く
更生の請求をおこなうと、税務署で審査がおこなわれ、審査が完了したら、結果が記載された通知書が届きます。
更生通知書が届くまでの期間は、申告してから3か月程度です。
振込通知書が届く
その後1か月ほど経過すると、還付金の振込通知書が税務署より送付されます。
実際に戻ってくる金額が記載されているため、振り込みが完了するまで保管しておきましょう。
還付金が振り込まれる
振込通知書が届いてから2週間ほどで、還付金が指定した口座に振り込まれます。
通知書の金額と相違なければ、相続税の還付の手続きの完了です。
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どのようなケースで相続税の還付を受けているのか、実際の事例を知っておくと参考になりますよね。
そこで最後に、相続税の還付を受けた成功事例を2つご紹介します。
広大地とは、その土地がある地域の一般的な宅地と比較して著しく広くて大きな土地のことです。
広大地は、そのまま売却したくても買主が見つからないことが多く、分割して一部だけ売却する場合は分筆しなければなりません。
広大地は相続人の負担が大きいため、評価額を下げて税金を軽減する優遇制度が設けられています。
1つ目の事例は、2区画の土地の相続税を納めたあとに、広大地であることが認められたケースです。
兄弟が隣接した土地を2区画相続し、それぞれの評価額を基準に相続税を納めました。
しかし、それぞれの土地をフェンスなどで区切っていなければ、1つの土地として扱われます。
つまり、その土地が広大地であると認められれば、税金の軽減措置の対象となります。
そこで広大地として再申告した結果、土地の評価額が下がり、相続税の還付を受けることができたのです。
不整形地とは、正方形や長方形ではなく、台形や三角形といったいびつな形をした土地です。
このような土地は、整形地と比べて有効に土地を活用できないため、本来評価額が下がります。
この減額要素を考慮せずに相続税を計算し納めていたケースで、補正して再申告した結果、払いすぎていた相続税が戻ってきた事例もあります。
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相続税の還付とは、相続税を払いすぎていた場合に税金が戻ってくる制度で、土地を相続した場合に多く見られます。
しかし、相続税を払いすぎていたとしても、税務署から指摘は受けません。
したがって、納めた相続税を見直したい場合は、再度評価を依頼して確認してみることをおすすめします。
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