相続税における「更正の請求」とは?発生するケースや請求の流れを解説

2025-04-01

相続税における「更正の請求」とは?発生するケースや請求の流れを解説

この記事のハイライト
●更正の請求とは相続税の申告内容を修正して、払い過ぎた相続税を戻してもらうための手続き
●未分割の財産が分割された・相続人の異動があった・遺言書の発見による変更があった場合に発生する
●必要書類を準備し税務署に提出後、還付金が振り込まれる流れとなる

相続税を納めた後に「払う必要のない税金まで支払ってしまったかもしれない」と思った場合「更正の請求」の知識が役立ちます。
更正の請求とは、払いすぎた相続税の還付を求めるための手続きです。
本記事では、相続税の更正の請求について、制度の概要やどのようなケースで請求が必要になるのか、手続きの流れを解説します。
山口県山口市で相続した方は、ぜひ参考にご覧ください。

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相続税における「更正の請求」とは?

相続税における「更正の請求」とは?

相続税の申告を終えた後「もしかして税額を多く払いすぎているのではないか?」と疑問に思うケースがあります。
たとえば、申告時に不動産の評価額を高く見積もりすぎてしまった、適用できる特例や控除を見逃していた、あるいは新たな証拠や資料が出てきた、といった状況です。
こうした場合「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」の手続きを利用すると、本来払う必要のなかった税金を還付してもらえる可能性があります。

更正の請求とは

更正の請求とは、簡単にいうと「相続税の申告内容を修正して、払い過ぎた相続税を戻してもらうための手続き」です。
通常、相続税の申告は相続開始から10か月以内におこない、いったん税額を確定させて納付します。
しかしその後、誤りや見落としが判明したとしても、自主的に「払った税金を返してください」と申し出なければ、税務署が気づいて返金してくれるわけではありません。
そこで、更正の請求を使って訂正をおこない、差額を還付してもらうことが可能になるのです。

更正の請求の期限

かつては更正の請求ができる期間は「申告期限から1年以内」とされていました。
しかし2011年(平成23年)の税制改正以降は、申告期限から5年以内に延長され、請求できる猶予が広がっています。
改正によって、申告直後には気づけなかった軽減措置や評価方法の誤りなどを見つけた場合でも、あわてずに手続きをおこなうことができるようになりました。
ただし5年を過ぎると原則として更正の請求が認められなくなるため、誤りに気づいた時点で早めに対応することが重要です。
ただし、特別な事情がある場合には、たとえ手続きの期限を過ぎていても、更正の請求が認められる可能性があります。
特別な事情と認められる場合には、その事情が発生した日から4か月以内に手続きをおこなえば良いと定められています。
特別な事情として代表的な例には、分割されていなかった相続財産が後から分割された場合、後から遺言書が見つかった場合、子の認知や相続人の廃除などによって相続人が変更になった場合などです。
これらの特別な事情に適用されるルールを「更正の請求の特則」と呼びます。

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相続税の「更正の請求」が発生するケースとは?

相続税の「更正の請求」が発生するケースとは?

更正の請求が発生する代表的なケースは、以下のとおりです。

①未分割の財産が分割された場合

相続税の申告期限(被相続人の死亡から10か月以内)までに遺産分割協議が整わないケースは珍しくありません。
協議が難航しているため「法定相続分」で仮の分割案をベースに申告し、一旦その内容で相続税を納付しておくこともよくあります。
しかし協議が最終的にまとまった結果、誰がどの財産を取得するかが変われば、各人の課税価格や税額も修正の余地が生じます。
たとえば、小規模宅地等の特例を適用して大幅に税額を軽減できる相続人が最終的にその土地を取得した場合、当初の申告額よりも税金が少なくなることがあるのです。
こうした「未分割→分割完了」のタイミングで、更正の請求をおこなうと過大分を還付してもらうことが可能です。

②相続人の異動があった場合

相続税の額は、相続人の人数や各人の取得割合、さらには法定相続人の範囲(実子・養子・認知された子など)に大きく左右されます。
そのため、申告後に新たに相続人である可能性のある方が判明したり、逆に相続を放棄した方が出たりすると、最初に想定していた相続人の構成が変わる場合があるのです。
また、相続人の死亡などの事情で相続割合が再調整されることも考えられます。
そうした状況では、当初の計算通りに納めた相続税が過大であったり、あるいは別の特例が適用可能になったりする場合があります。
その結果、相続税額の修正が必要となれば、更正の請求によって正しい金額への訂正と、過払い分の還付手続きをおこなうことが可能です。

③遺言書の発見による相続内容の変更

相続税の申告後に、被相続人が生前に作成していた遺言書が見つかることもあります。
遺言書の内容が法定相続分と大きく異なると、実際に相続する財産の分配割合が大きく変わる可能性があります。
遺贈の指定があったり、特定の相続人が高額な資産を相続するようになっていたりする場合には、当初申告した税額と実際の課税価格に差異が生じることになるからです。
このように「遺言書発見」によって分配内容が変わった場合も、更正の請求の対象となり得ます。

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相続税の「更正の請求」をおこなう際の流れとは?

相続税の「更正の請求」をおこなう際の流れとは?

更正の請求をおこなう流れは、大きく分けると「必要書類の準備→書類の提出→税務署での審査→還付金の受け取り」のステップに整理できます。

①必要書類の準備

まずは、更正の請求をおこなう理由を明確にしたうえで、裏付ける資料をそろえましょう。
たとえば、不動産評価額の見直しによる減額を求める場合は、新たな鑑定評価書や固定資産税評価証明書、役所から取り寄せた資料などを用意します。
遺産分割協議が後から成立したケースでは、正式に作成・押印された「遺産分割協議書」の写しが必要です。
遺言書が新たに発見された場合は、その写しや検認済証明書(公正証書遺言の場合は公証人の証明書)などが証拠となります。
また、相続人の異動があった場合(相続放棄や養子縁組の存在が判明したなど)には、戸籍謄本や住民票、法定相続情報一覧図などで法定相続人の変更を証明する必要があります。
次に「相続税の更正の請求書」の書類を準備しましょう。
国税庁のウェブサイトからダウンロードできるほか、税務署の窓口で受け取ることも可能です。

②税務署への提出

必要書類がそろったら、相続税を申告した際の所轄税務署へ提出します。
郵送や電子申告(e-Tax)での提出も可能ですが、書類の不備があった場合にすぐ確認できるよう、直接窓口に持参すると安心です。

③税務署の審査と追加書類の提出

書類を提出すると、税務署が内容を審査します。
審査期間中に、追加で書類や証拠の提出を求められたり、担当者から質問を受けたりすることもあります。
その際は、速やかに必要資料をそろえて回答すると手続きがスムーズです。

④還付金の振り込み

審査で減額が適当と判断されれば、税務署から「更正通知書」が送付されます。
そして、相続人の指定した銀行口座に還付金が振り込まれることになります。
還付がおこなわれるタイミングは税務署の審査状況や請求内容の複雑さによって異なりますが、一般的には数週間から数か月程度かかることが多いです。
振り込み時期が遅れていると思ったら、税務署に問い合わせて進捗状況を確認してみると良いでしょう。
また、更正の請求が認められた場合、過大納付分に対しては「還付加算金」という利息相当額が上乗せされる場合があります。
一方、請求内容が認められない、もしくは一部のみ認められるケースもあるので、通知書の記載内容をよく確認することが大事です。

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まとめ

相続税の更正の請求手続きを円滑に進めるためには、まずは請求の根拠となる事実関係や必要書類をしっかりそろえることが肝心です。
税務署の審査には時間がかかる場合があるため、提出期限(5年以内)を逆算して早めに準備を進めましょう。
相続税に関して少しでも「納めすぎ」や「控除漏れ」の疑いがあるなら、専門家に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。
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