2024-07-02
相続の際は、ご自身の相続分が思ったより少ないと驚かれる方が多々いらっしゃいます。
実は、法律で定められた最低限の相続分「遺留分」は請求することが可能です。
本記事では、遺留分侵害額請求とはなにか、遺留分減殺請求権との違いや遺留分侵害額請求の方法について解説します。
山口県山口市で遺留分侵害額請求をするかどうか検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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遺留分侵害額請求とは、簡単に言うと「相続で不公平な思いをしたときに、お金で調整するよう請求する」ことです。
たとえば、遺言書に「1人の相続人に全財産を渡す」と書かれていた場合や親が生前に特定の子どもにだけ多額の贈与をしていた場合に他の相続人は「ちょっと待った!」と言う権利があります。
それが「遺留分侵害額請求」なんです。
遺留分侵害額請求をすると、請求者は財産をたくさんもらった相続人から正当な取り分(遺留分)を現金でもらえます。
つまり、不公平だと感じた相続分を、お金で調整できるんです。
遺留分侵害額請求ができる方は法律で決まっています。
亡くなった方(被相続人)との関係で確認してみましょう。
請求できる方は、以下のとおりです。
一方、請求できない方は、以下のとおりです。
兄弟姉妹、甥や姪は、たとえ相続人になっても遺留分がありません。
つまり、遺産を全然もらえなかった場合でも、遺留分侵害額請求はできないんです。
また、請求できる方であっても、相続放棄をすると相続人ではなくなるため、遺留分侵害額請求をする権利もなくなります。
遺留分侵害額請求は、家族関係に影響することもあります。
「請求できる」からといって、必ずしもするべきとは限りません。
家族の状況やこれからの関係性も考えて、慎重に判断することが大切です。
迷ったときは、専門家に相談するのがおすすめです。
遺留分侵害は、具体的にどんなときに起こるのでしょうか?
主に以下の3つのパターンがあります。
遺言書で特定の方にたくさん財産を渡した場合
たとえば、父が遺言で「財産の9割を長男に」と書いていた場合や遺言で「全財産を恩人に」とされていた場合などが考えられます。
こんなとき、他の相続人は遺言で財産をもらった方に対して遺留分侵害額請求が可能です。
生前に特定の方にたくさん財産をあげていた場合
たとえば、母が生前に次女に高級マンションを贈与していた親が生前に会社を長男に譲っていた場合などです。
贈与を受けた方に対して遺留分侵害額請求ができます。
死因贈与をしていた場合
たとえば「私が死んだら、この土地を○○にあげる」と約束していた場合などです。
相続人は、この約束で財産をもらうことになっている方に対して遺留分侵害額請求ができます。
遺留分侵害額請求は、家族でも家族以外でも、被相続人からたくさん財産をもらった方が対象になります。
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民法改正により、2019年7月1日以降は遺留分に関する請求方法が大きく変わりました。
以前は「遺留分減殺請求権」と呼ばれていましたが、改正後は「遺留分侵害額請求」に変わっています。
遺留分侵害額請求をする際は、遺留分減殺請求との違いを理解し、適切な手続きを進めることが重要です。
以前の遺留分減殺請求権では、相続で遺留分が侵害された場合、その侵害された物や権利を返還してもらうことが中心でした。
たとえば、遺贈や贈与によって遺留分が減少した場合、その物や権利を返還してもらうことによって遺留分を確保していたのです。
一方、改正後は、遺留分侵害額請求権として、遺留分が不足している部分を金銭で請求する方法に変更されました。
2019年の改正により、遺留分侵害額の支払いに関する新しい猶予制度が導入されました。
この制度は、遺贈を受けた方が請求された金額をすぐに支払えない場合に利用できます。
遺贈を受けた方は、裁判所に対して支払いの延期を申請することができ、裁判所の判断に基づいて支払いの猶予を受けることが可能です。
2019年の改正により、生前贈与の取り扱いが変更されました。
具体的には、どの贈与をどの程度考慮に入れるかが変わっています。
相続人に対して婚姻、養子縁組、生計の資本としておこなわれた贈与は「特別受益」として扱われます。
特別受益の場合、相続開始前の10年間の贈与について相続財産に含めることが可能です。
遺留分権利者に損害を与えることを知っておこなわれた「悪意のある贈与」については、期間制限がなく、いつおこなわれたものであっても相続財産に含めることができます。
上記以外の一般的な贈与については、相続開始前の1年間の贈与について、相続財産に含めることが可能です。
相続の発生日によって、どちらの請求権が適用されるかが異なってきます。
改正前の2019年6月30日までに発生した相続は、遺留分減殺請求が適用されます。
2019年7月1日以降に発生した相続は、遺留分侵害額請求が適用可能です。
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では実際に、遺留分侵害額請求はどのようにおこなえば良いのでしょうか。
請求方法は、以下のとおりです。
遺留分侵害額請求をする際には、円満に解決するためにも、まずは相続人同士で話し合いをおこなうことが重要です。
話し合いの際には、専門家である弁護士に相談し、客観的な視点で議論を整理してもらうとスムーズに進められます。
弁護士のサポートを受けると、複雑な問題もクリアになりやすくなります。
話し合いの結果、全員が合意に達した場合は、合意書を作成し、その後、金銭の支払いを受けることが可能です。
相続人同士の話し合いで合意に至らない場合は、内容証明郵便を使って請求する方法があります。
また、遺留分侵害額請求の時効が迫っている場合も、この方法が有効です。
話し合いの途中であっても、内容証明郵便を送ると時効を一時的に止めることができます。
内容証明郵便で請求書を送付した後は、遺留分侵害額の清算方法を取り決め、支払いを受けることになります。
相続人同士での話し合いがまとまらない場合や、内容証明郵便を利用しても解決しない場合は、裁判所に請求調停の申し立てをおこないましょう。
調停では、家庭裁判所の調停委員が双方の主張を聞き、交渉の仲介をおこないます。
これにより、相続人同士だけで話し合うよりもスムーズに解決する可能性が高くなります。
調停で双方が合意に達すれば、調停成立となり、遺留分の支払いを受けることが可能です。
調停をおこなっても合意に至らない場合は、遺留分侵害額請求訴訟を提起することになります。
訴訟では、遺留分が侵害されたことを証明することが重要です。
どのような証拠を集めるべきか、訴訟の進め方については弁護士に相談することをおすすめします。
訴訟の結果、遺留分が認められれば、裁判所が遺留分侵害額の支払いを命じます。
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相続で不公平を感じたら、遺留分侵害額請求を検討してみましょう。
「遺留分減殺請求」との違いは、金銭で請求する点や生前贈与を相続財産に含む期間、支払い猶予の追加や適用期間です。
請求方法は、相続人同士での話し合いや内容証明郵便、請求調停が挙げられます。
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