2023-05-30
根抵当権という権利をご存じでしょうか。
住宅ローンで設定される抵当権は知っていても、「根抵当権は聞いたことがない」という方も多いでしょう。
本記事では根抵当権付きの不動産を相続する方法として、根抵当権をそのまま相続する方法と抹消する方法を解説します。
山口県山口市で根抵当権の付いた不動産を相続した方は、ぜひご参考にしてください。
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根抵当権は住宅ローンを借りるときに設定する抵当権と響きが似ていますが、仕組みが大きく異なります。
ここからは不動産相続における根抵当権とは何か解説します。
根抵当権とは極度額を設定して、その範囲内で何度も借り入れや返済ができる仕組みです。
極度額は、不動産の担保価値をもとに決めます。
抵当権とは債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合に備えて、金融機関が不動産に設定する権利です。
抵当権の場合、住宅ローン契約時に借り入れ額が確定し、決められた日に決められた金額を返済していきます。
一方で根抵当権は極度額に達するまで何度も借り入れることができ、返済額や返済日は決まっていません。
また抵当権は住宅ローンを完済したら、抹消手続きがおこなわれて消滅します。
しかし根抵当権は借りたお金を返済しても、再度借りる可能性があるため、当事者間の合意がなければ消滅しません。
根抵当権のメリットとは、登記の手続きを省けることです。
抵当権は完済するたびに消滅する仕組みなので、何度も融資を受ける場合は抵当権設定登記を繰り返さなければなりません。
抵当権設定登記をおこなうたびに、登記申請の手間と費用がかかります。
根抵当権は一度登記すれば極度額の範囲内で、何度も融資を受けることが可能です。
抵当権とは違って完済しても消滅しないので、登記申請の手間と費用も1回だけで済みます。
根抵当権は事業資金を調達する際に設定されるケースが多いです。
またリバースモーゲージを利用した場合にも、個人の所有する不動産に根抵当権が設定されることがあります。
リバースモーゲージとは自宅を担保に生活資金を金融機関から借り入れる仕組みです。
債務者が死亡したときに不動産を売却することによって、借り入れたお金を返済します。
融資を複数回繰り返すリバースモーゲージの性質を考えると、根抵当権のほうが使い勝手が良いです。
根抵当権を抹消するためには、元本確定という手続きをおこなう必要があります。
元本確定とは根抵当権で担保される債権額を確定させることです。
元本確定した債権を返済すると、根抵当権は消滅します。
根抵当権の付いた不動産を相続する場合は、早めに手続きを進めなければなりません。
その理由は、根抵当権をそのまま設定し続ける場合も、相続放棄をする場合も手続きに期限があるためです。
根抵当権をそのまま設定し続ける場合は、相続開始から6か月以内に登記をしなければなりません。
そうしないと、相続開始時に元本が確定したものとみなされて、通常の抵当権になってしまいます。
根抵当権の付いた不動産を相続したくない場合は、相続開始から3か月以内に相続放棄することが必要です。
期限を過ぎると相続放棄はできなくなるため、短期間で対応しなければなりません。
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先述のとおり、根抵当権は相続開始から6か月以内に登記しないと、元本が確定して抵当権になります。
相続後も事業資金の融資を受けたい場合は、根抵当権をそのまま残しておくために登記を急がなければなりません。
その際に必要な登記は、「相続登記」「債務者変更登記」「指定債務者の合意の登記」の3つです。
相続登記は不動産の所有者を被相続人から相続人に変更する登記です。
相続登記をする前に、相続人全員で遺産分割協議をおこない、だれが不動産を取得するか決めます。
相続登記を申請する際の必要書類は以下のとおりです。
根抵当権をそのまま残すためには、債務者変更登記が必要です。
債務者変更登記では、根抵当権の債務者を被相続人から相続人全員に変えます。
債権者変更登記を申請する際の必要書類は以下のとおりです。
指定債務者の合意の登記とは、相続後に債権者と取引をする方を決めるための登記です。
債務者の変更登記後でなければ、指定債務者の合意の登記はできません。
指定債務者の合意の登記における必要書類は、以下のとおりです。
根抵当権付きの不動産をそのまま相続する場合は、まず債権者である金融機関に連絡します。
次に遺産分割協議をおこない、不動産の取得者を決めなければなりません。
遺産分割協議が終わったら、先ほどご説明した3つの登記を順番におこないます。
一連の流れを相続開始から6か月以内におこなうのがポイントです。
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相続後にお金の借り入れをしないのであれば、「根抵当権の抹消」もしくは「相続放棄」の手続きをおこないましょう。
ここからは、不動産の根抵当権を抹消して相続する方法について解説します。
根抵当権を抹消する手続きは、元本を確定させてから根抵当権抹消登記の申請をおこなう流れです。
根抵当権の元本債権は極度額の範囲内で増減するため、そのままの状態では確定しません。
元本を確定して弁済するという手続きを踏むことで、根抵当権を抵当権化して抹消する仕組みです。
とくに手続きをしないまま相続開始から6か月経つと、元本が確定します。
確定した元本債権の弁済ができれば、根抵当権の抹消登記をすることが可能です。
債務が残っている場合は不動産を売却することによって弁済します。
債務が残っていない場合は、債権者の合意を得られれば抹消登記が可能です。
根抵当権抹消登記を申請する場合は、以下の必要書類を準備しなければなりません。
根抵当権による借り入れが多く返済するのが厳しい場合は、相続放棄するのも手です。
相続放棄とは、被相続人の財産を相続する権利自体を放棄することです。
相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しません。
プラスの財産とマイナスの財産の両方を調査して、慎重に判断しましょう。
相続放棄をする場合は、相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申述をしなければなりません。
相続放棄をする場合に必ず提出しなければならない書類は以下のとおりです。
申述人1人につき、800円の収入印紙も必要です。
そのほかの必要書類は申述人と被相続人との関係性によって異なります。
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根抵当権は、極度額の範囲内で何度でも借り入れができるのが特徴です。
根抵当権付きの不動産を相続するときは、期限内に特殊な手続きをおこなう必要があります。
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